フランス語と日本語でそのまま使われる言葉
Podcast of article content in French
Introduction
Frenchでは日本語の言葉も使います。
日本語でもフランス語の言葉を使います。
元々の意味で使われている単語もありますし、
別の意味で使われている単語もあります。
バゲットやシャンソンは皆さんご存知のフランス語単語です。
でも、ラングドシャがフランス語の単語であることはご存知でしたか?
この記事ではこのような単語について見ていきましょう。
そして、ほとんど直訳できる似たようなFrenchや日本語のことわざについてもご紹介していきます。
フランスと日本両国の交流がほとんどなかった大昔からこのようなことわざが存在していたのは、本当に不思議なことですね。
フランス語で使われている日本語の言葉
日常生活で使われている日本語の言葉:
まずは簡単な言葉から始めましょう。
Le wasabi わさび
Un sushi 寿司
Un sashimi 刺身
la saveur umami うま味
次は、日本で生まれたスポーツ:
Le judo 柔道
Le karaté 空手
Le kendo 剣道
L’aikido 合気道
Etc.
柔道は1930年代にフランスに伝わりました。
柔道をやっているフランス人は多いです。
2022年には約45万人がFFJ(フランス柔道連盟)に登録しています。
特に、フランス人の若者が多く参加しています。
スポーツとしてはサッカーの方が柔道より人気ですが、でもどちらもフランスの代表的なスポーツです。
1930年代のフランス柔道連盟のポスター
“Confiez-nous vos enfants
あなたのお子さんをお預かりします。
Avec le judo nous en ferons des hommes
柔道を通して男らしく育てます。
Tous nos professeurs sont diplômés d’État.”
うちの師範はみんな正式な資格を持っています。
面白いのは、
ポスターのキャラクターがフランスの代表的な雄鶏で、柔道の道着を着ていることです。
柔道はフランスで昔から教育的なスポーツとして考えられてきました。
身体的な能力だけでなく道徳的な資質も養うことができるとされてきました。
日本を代表する事柄についても日本語を使います。
Un karaoké カラオケ
Un origami 折り紙
Un kimono 着物
Un manga 漫画
Un katana 刀
Un emoji 絵文字
これらは世界的によく知られています。
フランスでは外国から伝わってきたものについてはフランス語に置き換える傾向がありますが、日本語はそのまま使っています。
また普段使っている日本語の中には、上記のようにそのままの意味で使うものもあれば、派生して使うものもあります。
Zen 禅
Frenchで禅は「静かな」、「落ち着いた」、「平和な」という意味で使われます。
主に人や場所、雰囲気などを描写する時に使います。
「禅」という言葉は、1960年代から70年代頃にかけてフランスで使われるようになりました。
その時代にはスピリチュアルなことやものが流行りました。
「禅」の言葉は人生の困難さを避けることを表すために使われました。
Example :
Il est très zen.
彼はとても「禅」的な人です。
Il est toujours calme et souriant.
彼はいつでも落ち着いていて、微笑みをたたえています。
Il ne s’énerve pas.
彼は怒りません。
Il ne réagit pas quand un problème arrive.
彼は問題が起きても慌てたりしません。
Il semble détaché des problèmes de la vie.
彼は人生の問題から切り離されているように見えます。
À mon travail, il y a une ambiance très zen.
私の職場には「禅」の雰囲気が漂っています。
Les gens semblent travailler lentement, à leur rythme.
みんな、マイペースにゆっくり働いています。
Il y a une atmosphère de calme.
落ち着いた雰囲気があります。
Une musique apaisante est diffusée à faible volume.
作業用の心地よい音楽が小さい音量で流れています。
Kamikaze 神風
La première fois que j’ai parlé de l’utilisation de ce mot en français,
mes élèves étaient très choqués.
「神風」のFrenchでの使い方を最初に説明した時、私の生徒たちはショックを受けていたようでした。
Ils trouvaient cette utilisation abusive.
彼らはこの使い方は元々の意味から外れていると思ったのでしょう。
En effet, l’utilisation du mot kamikaze en français,
確かに、Frenchでの「神風」の使い方は、
même si elle garde un lien avec l’utilisation en japonais,
日本語の意味と関係していますが、
est très négative.
非常にネガティブな意味で使います。
On l’utilise dans les nouvelles pour parler d’un terroriste qui est mort en ayant provoqué la mort d’autres personnes.
ニュースなどで自爆テロを起こしたテロリストを指して言う言葉です。
日本語で使われているフランス語の言葉
日本語の中で日常的に使われるフランス語の言葉
まずは食べ物からです:
Un mille feuilles ミルフィーユ
Un gâteau au chocolat ガトーショコラ
Un croissant クロワッサン
Un pain パン
Une baguette バゲット
Une crêpe クレープ
Un parfait パフェ
Un soufflé スフレ
Une mayonnaise マヨネーズ
Un gratin グラタン
Un pot-au-feu ポトフ
Une tarte タルト
Une langue de chat. ラング・ド・シャ
Une langue 舌
Un chat 猫
飲み物:
Un café カフェ
Un café au lait カフェ・オ・レ
職業:
Un chef シェフ
Un sommelier ソムリエ
Un pâtissier パティシエ
さまざまの物:
Un crayon クレヨン
Un marché マルシェ
Une chanson シャンソン
日本語で「シャンソン」は特定の種類の歌を指しています。
Frenchではさまざまな歌の総称として使います。
概念:
Déjà-vu デジャヴ
L’art nouveau アール・ヌーヴォー
Un gourmet グルメ
日本語に入って元々の意味から変わってしまったFrench:
Un sabot サボ
petit 小さい → プチ
Un objet 物事 → オブジェ (フランス語: une statue)
フランス語と日本語が混ざっている言葉
「フランポネ」は日本で生まれたフランス語を指します。
日本語と混ざってしまったり、
変形してしまったり、
意味がなくなってしまったりした言葉です。
フランスでは上記の面白いテーマについて、本も出版されました。
Example :click here..
その本の中で、日本での非常におかしなフランス語の使い方について紹介しています。
ちょっと揶揄している感じです。
反対に置き換えてみると、外国人がやっているおかしな漢字やひらがなのタトゥーについて紹介しているような物です。
それでは、一番有名な「フランポネ」を見てみましょう。
“Comme ça du mode”
Comme ça こんな感じです
C’est comme ça.
それはそれです。
しょうがない。
La mode ファッション
「Comme ça du mode」の文法を正しく直すと
「Comme ça de la mode」のように書きます。
フランスの店です。
「Occitanie」は、フランスの南西部にある地方です。
東京にある有名なパティスリーでフランス語の名前がついているお店を見てみましょう。
Aigre douce (Mejiro)
意味:甘酸っぱい
Le pommier (Azabujuban)
意味:りんごの木
Au coin vert (Iidabashi)
意味:緑の片隅、緑が多いエリア
La vie douce (Akebonobashi)
意味:甘い生活
Astérisque (Yoyogiuehara)
意味:アスタリスク
Paris s’éveille (Jiyugaoka)
意味:パリの目覚め (フランスの有名な昔の歌のタイトル)
Cacahouète Paris (Nakameguro)
パリのピーナッツ
フランス語の名前が付いているパン屋さんもたくさんあります。
それらはそのパン屋を作った人の名前であることが多いです。
個人的に美味しいと思っているパン屋さんの名前をご紹介します。
Le blé et l’eau
意味:小麦と水
よく似ているフランス語と日本語の諺
ずっと気になっていることがひとつあります。
それはフランス語と日本語に驚くほど似ていることわざがあることです。
実際、ことわざはその国の文化に深く根ざしたものであるにもかかわらず、フランス語と日本語のことわざには一語一語忠実に訳したのではないかと思われるほどのものが見受けられるのです。
よって、私はこれを一つのテーマとして書くに値すると考えました。
日本語のことわざを思わせるFrenchのことわざを見ていき、特にその具体的な使われ方に注目していきましょう。
- Mettre de l’huile sur le feu
火に油を注ぐ
- Faire d’une pierre 2 coups
一石二鳥
- Est-ce l’œuf qui fait la poule ou la poule qui fait l’œuf ?
卵が先か鶏が先か
- L’herbe est toujours plus verte ailleurs.
隣の芝生は青い
まずは最初の「火に油を注ぐ」から見ていきましょう。
これは問題をさらに悪化させる人を表す際に使われます。
例えば
Un couple se dispute.
ある夫婦が言い争っています。
L’un des deux ne fait jamais le ménage.
片方が掃除を全くしないとします。
L’autre le lui reproche.
もう片方がそれを非難します。
Au lieu de le reconnaître, celui qui ne fait pas le ménage reproche à l’autre de ne jamais faire les courses.
言われた方がそれを認める代わりに、もう片方が買い物に全然行かないことを非難します。
Ce reproche énerve encore plus l’autre.
この言葉がもう片方をさらに怒らせます。
→ Il met de l’huile sur le feu.
火に油を注いでいる。
2 pays sont en guerre.
ある2つの国が戦争中だとします。
Le pays attaqué attaque en retour sans essayer de négocier.
攻撃を受けた国が交渉しようともせずに仕返しをします。
→ Il met de l’huile sur le feu.
火に油を注いでいる。
Le gouvernement fait une réforme.
国が改革を行うとします。
Cette réforme mécontente une majorité de citoyens.
国民の大多数はこの改革に不満を抱いています。
Le ministre en charge de la réforme se moque des citoyens mécontents.
改革の担当大臣が不満に思っている市民をあざけるような発言をします。
→ Il met de l’huile sur le feu.
火に油を注いでいる。
En général, on met de l’huile sur le feu au lieu d’apaiser la situation.
多くの場合、状況を落ち着かせる代わりに火に油を注ぐ形になります。
Vous aussi, imaginez une situation que vous avez vécue ou à laquelle vous avez assisté,
et où vous pourriez utiliser ce proverbe.
あなた自身のこれまで体験してきた、あるいは居合わせた状況でこのことわざが使えそうなものもぜひ思い浮かべてみてください。
Prenons le second proverbe de la liste : “Faire d’une pierre 2 coups”
次に「一石二鳥」を見てみましょう。
On l’utilise pour exprimer le fait que par une action, on obtient 2 effets, 2 résultats positifs.
これは一つの行いで二つの良い効果や結果を得るという意味で使われます。
例えば
Elle lit des recettes de cuisine en français
彼女はレシピをフランス語で読んでいる。
Comme ça, elle fait d’une pierre 2 coups :
こうすれば一石二鳥である。
Elle s’exerce et s’améliore en français
フランス語の練習と改善をしながら
en même temps qu’elle apprend de nouvelles recettes originales.
同時にオリジナルの新レシピも学んでいる。
Il a profité de son voyage d’affaires en France pour visiter le musée du Louvre.
彼はルーブル美術館に行くのに出張をうまく活用した。
Il a fait d’une pierre deux coups.
一石二鳥だった。
Pendant son séjour, il a pu à la fois travailler et faire un peu de tourisme.
その滞在中仕事をするのと同時に観光も多少することができた。
D’après vous, quelles situations dans cette liste correspondent au proverbe “faire d’une pierre 2 coups” ?
以下、一石二鳥と言える状況はどれでしょう?
- Il a un travail assez physique qui lui permet à la fois de gagner sa vie (gagner un salaire) et de faire de la musculation.
かれはかなりの肉体労働をしており、それが収入と同時に筋トレにもなっている。
- J’ai pris le train et j’y ai pris mon déjeuner au wagon bar.
電車に乗って車内バーで昼食をとった。
- Nous avons fait une réunion pendant laquelle nous avons non seulement pris des décisions importantes mais aussi parlé de nos difficultés.
重要な決定ができただけでなく我々の苦労についても話せた会議だった。
- Ils ont fait du sport et après ils se sont reposés.
彼らはスポーツをしてその後休んだ。
- Je n’ai pas pu me rendre au bureau aujourd’hui mais j’ai travaillé de chez moi.
今日はオフィスに行けなかったが家で仕事をした。
La bonne réponse : 1 et 3
解答:1と3
Vous aussi, imaginez une situation que vous avez vécue ou à laquelle vous avez assisté,
et où vous pourriez utiliser ce proverbe.
あなた自身のこれまで体験してきた、あるいは居合わせた状況でこのことわざが使えそうなものもぜひ思い浮かべてみてください。
Prenons le troisième proverbe de la liste : “Est-ce l’œuf qui fait la poule ou la poule qui fait l’œuf ?”
3つ目の「卵が先か鶏が先か」を見てみましょう。
On l’utilise pour se demander quelle est la cause et quelle est la conséquence.
これは何が原因で何が結果かを問う際に使われることわざです。
En effet, pour certains phénomènes, certains événements, certains résultats,
On peut inverser la cause et la conséquence.
実際、因果関係を逆転できる現象や出来事、結果というものが存在します。
例えば
Un youtuber est devenu célèbre en se filmant en train de manger.
あるユーチューバーが食べているところを動画に撮ることで有名になったとします。
Il a rapidement pris du poids.
彼はすぐに体重が増えました。
Il aurait du arrêter de produire ce genre de vidéo.
その類の動画を撮ることはやめるべきだったでしょう。
Mais il a continué pour conserver et étendre sa célébrité.
しかし知名度の維持と向上のために彼は続けました。
On peut se demander :
さて。
Ce Youtuber a pris du poids à cause de son activité ?
このユーチューバーの体重が増えた原因は彼の活動でしょうか?
Ou
もしくは
Ce Youtuber à continué son activité à cause de ou grâce à sa prise de poids.
このユーチューバーが活動を続けたのは体重増加が原因あるいはそのおかげでしょうか?
Autrement dit, est-ce sa prise de poids qui l’a rendu célèbre
ou sa célébrité qui a accéléré sa prise de poids ?
言い換えれば、体重増加が彼を有名にしたのか、あるいは逆に有名になったことが彼の体重増加に拍車をかけたのか。
Est-ce l’œuf qui fait la poule ou la poule qui fait l’œuf ?
卵が先か鶏が先か?
On peut appliquer ce proverbe dans beaucoup de situations.
このことわざは多くの状況で使うことができます。
Voyons le quatrième et dernier proverbe de notre liste : L’herbe est toujours plus verte ailleurs.
リストの最後の諺を見てみましょう。
L’herbe est toujours plus verte ailleurs.
隣の芝は青い。
On utilise beaucoup ce proverbe en français.
Les gens imaginent en effet souvent que la vie est plus facile, plus amusante ou plus belle ailleurs,
Dans une autre ville, une autre région, un autre pays.
On imagine aussi que le travail est plus intéressant et avec de meilleures conditions dans une autre entreprise.
Et puis, une fois avoir vécu dans un autre endroit ou avoir changé de travail, on comprend que partout il y a des avantages et des inconvénients.
C’est particulièrement le cas des personnes qui vivent dans un autre pays.
Pour certains, ils ont une image idéalisée du pays et se heurtent à la réalité après quelques temps sur place.
Le “syndrome de Paris” a certainement un lien avec ce proverbe.
Peut-être que quand on a trop d’attentes sur le pays de sa destination, on est fatalement déçu par une réalité plus nuancée.
Frenchでこのことわざをよく使います。
人はよく、他の場所ではもっと簡単に、もっと楽しく、美しく生きられると思いがちです。
例えば他の町、他の地方、他の国など。
もしくは他の会社の仕事の方がより面白く条件も良いと考えがちです。
特に、他の国に住んでいる人はそうでしょう。
人によっては、この国に対して理想的なイメージを持っていて、しばらく滞在した後に現実に直面することもあります。
例えば、「パリ・シンドローム」はこのことわざと関係があると思われます。
行く国に対して、過剰な期待を持つと、現実とのギャップにがっかりしてしまうかもしれません。
Frenchと英語:共通点と違い