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フランス語の「すみません」と「ごめんなさい」:4つの場面

フランス語で、記事の内容の音声

はじめに

フランス語には、いろいろな謝り方があります。
シンプルな言い方から少し詳しい言い方まであります。

大きく二つの種類の謝罪を表す言葉があります。
一つ目は、軽い謝罪を表す「すみません」のような言葉。
よくある状況は、故意ではなくやってしまったことについて使う場合です。
二つ目は、より深刻なことに対する謝罪について使う場合です。

日常生活における、フランス語の「すみません」

公共の場におけるフランス語の「すみません」

故意ではなく、他人に迷惑をかけてしまった時

例:

地下鉄に乗る際、ドアのそばにいる人にぶつかってしまった時。
バスの席に座る際、そばに座っている人にぶつかってしまった時。
パン屋さんで列に並ぶ際、先に待っていたお客さんの前に入ってしまった時。

こういうシチュエーションでこう言います:

「Excusez-moi」

「Oh pardon.」

「Je suis désolé(e).」

これら三つは、意味の違いはほとんどありません。

「Excusez-moi」は標準的な言い方です。
「Oh pardon」はより自然です。
「Je suis désolé(e)」はニュートラルな言い方です。

これから、これら三つの表現を二つのイントネーションで発音してみます:

「Excusez-moi」

「Oh pardon」

「Je suis désolé(e)」

一つ目と二つ目のイントネーションの違いが聞き取れたでしょうか?
二つ目はより誠実に聞こえますよね。

言葉より、イントネーションの違いの方が、より誠実な印象を与えるために重要です。

丁寧にお願いする時

日本語の方がより体系化されていますが、
フランス語でも、お願いする際、「すみません」のような言い方を付け加えます。

例えば、
道に迷った時、誰かに聞きます:

「Excusez-moi, vous savez où est 〇〇 ?」
「すみません、〇〇はどこにありますか?」

パン屋さんで店員にバゲットを袋に入れて欲しい時。

(日本ではレジ袋有料化の前までは、店員さんが通常パンを袋に入れていましたが、フランスでは少し事情が違って、いつもは袋に入れません。)

「Excusez-moi. Vous pouvez mettre la baguette dans un sac s’il vous plaît ?」
「すみません、バゲットを袋に入れてくれますか?」

フランス語のお願いと感謝についての記事はこちらへ

職場で謝る時

直接責任がない場合

職場でのミスは、例え自分のせいではなくても、会社や同僚に影響が出てしまいます。
その場合、謝罪をきちんとする必要があります。

例:

Le retard 遅刻

交通機関のトラブルで少し遅れる時:

「Désolé pour le retard. il y a eu un problème avec les transports.」
「交通機関の影響で遅れてすみません。」

より丁寧に謝りたい時:

「Je suis vraiment désolé pour le retard.」
「遅れてしまって本当に申し訳ございません。」

ITのトラブルの関係で、重要なメールが開けなかったり送れなかったりした場合:

「Je suis désolé. Suite au problème informatique, je n’ai pas pu envoyer / lire le mail.」
「本当に申し訳ありません。IT関連のトラブルで、メールが開けなかったです。/ 送れなかったです。」

「Pardon pour le retard de mon mail. Il y a eu un problème informatique.」
「ITのトラブルの関係で、メールが遅れてしまって申し訳ありません。」

ミスをしてしまった時

仕事でミスをしてしまうと、
わざとではなくても、
責任を取って、謝罪します。

例えば、

ミーティングのために重要な情報を事前に探すのを忘れた時。

「Je suis vraiment désolé pour ça. J’ai complètement oublié.」
「忘れてしまって本当に申し訳ありません。」

「Je vous prie / je te prie de m’excuser pour ça. J’ai complètement oublié.」
「忘れてしまって本当に申し訳ありません。」

ミスでデータを消してしまった時。

「Bon, j’ai fait une grosse bêtise. J’ai effacé par erreur les données. je suis vraiment désolé.」
「大きなミスをしてしまいました。データを全部消してしまいました。大変申し訳ございません。」

もし、そのミスを挽回する姿勢を見せたいなら、こう言います:

「Si je peux faire quelque chose…」
「私にできることはなんでもします。」

例外的な状況におけるフランス語の謝罪

大きな間違いをしてしまった時のフランス語の謝罪

仕事上の間違いの場合

Une erreur de travail 仕事のミス

先ほど、仕事上でミスをした時の謝り方をみました。

フランス語の「une erreur」 と 「une faute」には違いがあります。
「une erreur」は無意識でやってしまったことについて使います。
「une faute」は意識的にやってしまったことや、注意すれば避けられたことについて使います。

例えば、上司に指示された以外のやり方でやってミスをしてしまい、あなたのせいで不具合が起きてしまった場合です。

「Je présente mes excuses à l’entreprise / à l’équipe pour n’avoir pas suivi les recommandations de mon supérieur et avoir  provoqué un dysfonctionnement.」
「上司の指示に従わず、不具合の原因を作ってしまったことを会社・チームに謝罪します。」

「Je présente mes excuses」はよりフォーマルな言い方です。謝罪文でも使える表現です。

日常生活で大きなミスをした場合

先ほど、フォーマルな謝罪についてみました。

次に、仕事以外の日常生活で大きなミスをした時の謝罪についてみてみましょう。

例えば、

サービスを提供をしてくれる会社の人との大切な打ち合わせを忘れてしまった場合。

「Je voudrais vraiment m’excuser pour avoir oublié le rendez-vous. J’espère que ça ne vous a pas trop impacté.」
「打ち合わせを忘れてしまって本当にすみません。あなたの会社の業務に影響を与えてしまいました。」

理由を言って謝罪する

本当に謝りたい気持ちを表したい時、謝罪の理由を言うのは良い方法です。

下記のような言い方をしている場面を何回も見ました:

Je te présente mes excuses
Je vous présente mes excuses
Je voudrais m’excuser
Je voudrais vraiment m’excuser

  • pour + avoir + participe passé 過去分詞

例:

「Je voudrais m’excuser pour avoir fait une mauvaise manipulation.」
「操作ミスについて謝りたいです。」

「Je te présente mes excuses pour n’avoir pas fait le rapport.」
「レポートを書かなくて本当に申し訳ありません。」

複合過去と同じで、移動の動詞の場合は「être」を使います。

aller 行く
venir 来る
partir 出発する
arriver 着く、到着する
monter 上がる
descendre 下がる
passer 通る
sortir 出る、出かける
tomber 落ちる
retourner 戻る
rentrer 帰る

例:

「Je voudrais m’excuser d’être arrivé en retard.」
「遅れてしまってすみませんでした。」

「Je voudrais m’excuser de n’être pas venu à la soirée.」
「パーティーに行けなくてごめんなさい。」

夫婦喧嘩で謝る時

喧嘩で激しい言葉を浴びせてしまった時

そういう謝罪を使わないで済むならそちらの方がいいですが、
フランス語が母国語のパートナーがいる方は、
喧嘩の場面での謝罪表現は役立つかもしれません。

パートナーと喧嘩したとします。

激しい言葉を浴びせてしまったことを謝りたい時。

「Je suis vraiment désolé de t’avoir dit 〇〇.」
「Je te demande pardon pour t’avoir dit 〇〇.」
「〇〇と言ってしまってごめんなさい。」

その場合、時制に注意してください。

「Je suis vraiment désolé de t’avoir dit que je ne voulais plus te voir.」
「もう会いたくないと言ってしまってごめんなさい。」

「Je te demande pardon pour t’avoir dit que tu avais trop de défauts.」
「あなたのことを欠点ばかりの人と言ってしまってごめんなさい。」

悪いことをした後の謝罪

Une dispute de couple 夫婦の喧嘩

もし、自分が悪いことをした場合は、先ほどみた言い方に加えて、下記のような表現が使えます。

「J’aurais dû / je n’aurais pas dû + verbe infinitif 不定詞」

例:

「J’aurais dû penser à t’appeler.」
「あなたに電話をすればよかった。」

「Je n’aurais pas dû faire ça.」
「そんなことすべきじゃなかった。」

文の中に、理由を加えた謝罪をみてみましょう。

「Je suis vraiment désolé d’avoir oublié ta date d’anniversaire. J’aurais dû y penser et te faire un cadeau. J’aurais dû t’inviter dans un restaurant. 」
「あなたの誕生日を忘れてしまってごめんなさい。ちゃんと覚えててプレゼントを準備したり、レストランでの食事を計画したりすれば良かった。」

「Je te demande pardon d’être parti en voyage sans toi. J’aurais du te proposer de venir avec moi.」
「自分だけ旅行に行ってしまってごめんなさい。あなたも誘えばよかった。」

「Je te demande vraiment pardon de t’avoir dit que je ne rentrerais pas tard ce soir et d’être finalement rentré à 1h du matin. J’aurais dû t’appeler pour te prévenir. Je n’aurais pas dû aller au bar si tard avec mes amis. 」
「今日は早く帰ると言っていたのに、夜の一時に帰ってしまってごめんなさい。電話すればよかった。そんな遅くまで友達とバーにいなければよかった。

結局、パートナーに許してもらえるか確認したければ、こう言います:

「Tu me pardonnes ?」
「許してくれる?」

でも、パートナーがすごく怒っている場合には言わない方がいいです。
あなたの謝罪は軽いと感じさせてしまうかもしれないからです。
それは、どんな言語でも一緒だと思いますね。

おわりに

相手に対して謝罪するのは、どんな国でも、繊細なコミュニケーションです。
大した事ではないことについて謝る時には比較的簡単です。

でも、職場やプライベートでは、状況によって、ニュアンスが微妙に異なる場合があります。
選んだ言葉によっては、あなたの謝罪したいという気持ちと実際の効果には差がある可能性があります。

もし、フランス語で「すみません」、「ごめんなさい」、「申し訳ありません」という謝罪の言葉を言って、少しくらい間違っても構いません。
重要なのは、相手に誠実な気持ちを伝える事です。

フランス語の「すみません」と「ごめんなさい」を詳しく知りたい方は、こちらへ

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